一線。
2ヶ月ぶりに会える事になった。 世間はクリスマス一色。 その日、私は車で出た。 待ち合わせの駅、待ち合わせの場所に彼は立っていた。 ゆっくりと、停車すると車を覗きこみ 「お疲れ」と助手席に座った。 とりあえず、人が多い駅前を抜けようと、車を出す。 「ちょっと、二人になれるとこ行こう」 「…わかった... 続きをみる
ありがとう。
3ヶ月がたった頃。私の誕生日があった。 もう、おめでとうも家族からしか言われない年齢。 プレゼントは、子供達からだけ。 そんな年月を重ねていたが、今回は違った。 日付が変わって数分後。 彼から、LINE。 「誕生日おめでとう。 貴女が生まれて来てくれた事に感謝。 貴女に出逢えた事に感謝。」 思わず... 続きをみる
わかってよ。
それからは、またLINEでの日々。 だいぶ仕事が忙しくなった様子で、ちらほら愚痴も彼からは出てきた。 けど、そんな中でも私を気にかけてくれる一言が欲しかった。 寂しさは溜まる一方。 必死に押さえてるつもりだったが、また悪い癖が出た。 「今度…いつかな?」 既読にはなったが、返信は来ない。 仕事中だ... 続きをみる
不安。
それから店を出て、また駅までの距離を歩いた。来た時よりは、近い距離で並んで歩いた。 「またな。」「うん。」 お互いを見送る訳でもなく、別々の方向に歩く。 振り向いたらだめだと足早に自分に言い聞かせながら。 LINEの通知。 「歩くのはえーよ。(笑)」 ん?なんで?と振り向くと、向こうは人ごみの中で... 続きをみる
普通に。
それからは、昔からの知り合いだった様に話をした。 それまで、LINEで話をしてきたのもあるだろうが、話題には尽きなかった。 向こうは仕事、家庭の話。 うんうん…と聞く私に、向こうは「これなんだよなぁ…」と言う。 聞いてもらえるだけで、少しは気持ちが楽になると言う。 それは私も同じ。 お互いに夫婦の... 続きをみる
大事に?
その後、予約していたお店に移動する事に…。 お互いに、自然と距離を取って歩いた。 前を歩く彼の靴と靴音だけを頼りに、私は後ろを歩く。 お店に着くと、居酒屋だったが半個室的な所だった。 「これなら大丈夫だろ?」 「そうだね」 大丈夫…の意味は「知ってる人がいても見られないだろ」 すぐに理解した。 飲... 続きをみる