2ヶ月ぶりに会える事になった。
世間はクリスマス一色。
その日、私は車で出た。
待ち合わせの駅、待ち合わせの場所に彼は立っていた。
ゆっくりと、停車すると車を覗きこみ
「お疲れ」と助手席に座った。
とりあえず、人が多い駅前を抜けようと、車を出す。
「ちょっと、二人になれるとこ行こう」
「…わかった」
それで理解してしまった自分。
二人になれる所…は決まっているわけで…。
おとなげなく、ドキドキするのをバレないように、話をしながら、その場所に着く。
車から降り、前を歩く彼の後ろを追った。
部屋に入る。
とたんに抱き締められた。
彼のスーツの匂い。タバコの匂い。
全てが目の前にその人がいる証明。
耳元で、「後悔は?」と言われた。
「してない。
そっちこそ後悔は?」
「してない。」
例えその場限りの言葉だとしても、嬉しく思ってしまった。
そして、…私達は一線を越えた。
お互いに、この時間だけは全て忘れてと。